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BLOG点数では表せない、でも子どもの心を育てる1番大事なことは?

中目黒アート教室アルティキッズ 代表のHIDERUです。
子どもの成長を考えるとき、私たちはつい「できるようになったこと」に目を向けます。
文字が書けるようになった。
計算ができるようになった。
テストでいい点を取った。
上手に絵が描けた。
もちろん、それらも大切な成長です。
でも、子どもがこれから長い人生を歩いていくために必要な力は、それだけではありません。
「これ、面白そう!」と思えること。
「やってみたい!」と動き出せること。
失敗しても「じゃあ、こうしたらどうだろう?」と考えられること。
こうした力は、なかなか点数では表せません。
そして私は、この「点数では表せない力」を育てるうえで、とても大切なのが遊び心だと思っています。
それが、昨今、重要視させるようになった非認知能力へとつながります。
「遊ぶ」と「学ぶ」は、本当は離れていない

大人はつい、「遊んでばかりいないで勉強しなさい」と考えてしまいます。
でも、遊びの天才である子どもたちを見ていると、遊びの時ほど創造性をフル回転させてくれます。
段ボール箱があれば、家にする。
次の瞬間には宇宙船になる。
穴を開けたら窓になり、布をかけたら秘密基地になる。
そこには正解も、お手本もありません。
「こうしたら面白いかも」
その気持ちだけで、子どもの世界はどんどん広がっていきます。
想像する。
試してみる。
うまくいかなければ変える。
もっと面白くする。
遊びの中で、子どもは自然に考え、工夫し、選択しています。
つまり、遊びは子どもにとって、とても自由な「思考の時間」なのです。
楽しむことを取り戻した、アリサ・リュウ選手
この「楽しむこと」の大切さを象徴するようなエピソードがあります。
アメリカのフィギュアスケート選手、アリサ・リュウ選手です。
彼女は13歳で全米選手権を制し、史上最年少の全米女王となりました。世界のトップを目指し、幼いころからスケート中心の生活を送っていました。
しかし、2022年の北京オリンピックと世界選手権を終えたあと、わずか16歳で競技から引退します。
後に彼女は、子どものころのスケートについて、練習する時間も、着る衣装も、滑る音楽も周囲によって決められ、スケートが「やりたいこと」ではなく「やらなければならないこと」になっていたと振り返っています。
引退後、彼女は友達と遊び、旅行をし、大学へ進み、スキーにも挑戦しました。
つまり、競技一色だった生活から離れて、いろいろなことを楽しむ時間を取り戻したのです。
そして約2年後。
スキーを楽しんだことをきっかけに、もう一度リンクに立ってみたくなります。
最初は大会に戻るためではありません。
ただ、滑ってみたかった。
そして滑ってみると、楽しかった。
もう一度行くと、もっと楽しかった。
そこから彼女は、自分の意思でフィギュアスケートの世界へ戻っていきました。
復帰にあたって彼女が大切にしたのは、自分で選ぶことでした。
自分で音楽を選ぶ。
プログラムの創作にも参加する。
練習量も自分の感覚を大切にする。
「やらされるスケート」から、「自分がやりたいスケート」へ。
すると、その復帰からわずか数か月で結果を出し、2025年には世界選手権で優勝。そして2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、女子シングルの金メダルを獲得しました。
私はこの話に、とても大切なことが表れていると思います。
人は、楽しんでいるときにこそ、本来持っている力を発揮できる。
これはスポーツだけではありません。
子どものアートにも、まったく同じことが言えると思います。
「面白い!」から発想は始まる

「何か面白いものを考えなさい」
そう言われても、なかなか面白いアイデアは出てきません。
発想力は、命令されて出てくるものではないからです。
ところが、夢中になって遊んでいるときは違います。
「ここに羽をつけたら飛びそう!」
「この色とこの色を混ぜたらどうなる?」
「もっと大きくしたい!」
「怪獣が住んでいる街にしよう!」
次から次へとアイデアが出てきます。
楽しんでいるからこそ、発想が動き始める。
最初から立派なアイデアを考えようとしなくていいのです。
ちょっとふざけてみる。
変なものを作ってみる。
誰も考えないようなことをやってみる。
「そんなのアリ?」
というところから、面白い発想が生まれます。
アートに「間違いなんてないよ」
この遊び心を育てるために、アートはとても相性のいい活動です。
算数なら答えがあります。
けれど、アートには一つの正解がありません。
空をピンクに塗ってもいい。
足が10本ある動物を作ってもいい。
家が空を飛んでいてもいい。
見たことのない未来の乗り物を考えてもいい。
「それは間違い」と言われない世界だからこそ、子どもは安心して自分の発想を外に出すことができます。
そして、
「自分はこうしたい」
という気持ちが生まれます。
何を描くか。
どんな材料を使うか。
どこに貼るか。
失敗したところをどうするか。
小さな選択を何度も繰り返しながら、一つの作品を作っていく。
その積み重ねが、自分で考え、自分で決める力になっていきます。
上手に作ることが1番の目的ではない
子どものアートというと、「絵が上手になる」「工作が上手になる」ということが目的だと思われることがあります。
もちろん、技術が身につくことも素晴らしいことです。
でも、それ以上に大切にしたいものがあります。
ときめく気持ち、ワクワクする気持ち、
夢中になること。
思いついたことを試すこと。
そして最後に、「できた!」と思えること。
完成した作品だけではなく、そこにたどり着くまでのプロセスそのものに価値があります。
子どもの心に「遊び心」を

これから子どもたちが生きていく時代は、正解をたくさん覚えていることだけではなく、正解のないところから何かを考え、生み出す力がますます大切になっていくと思います。
その原点にあるのが、遊び心です。
「これをやったらどうなるんだろう?」
「面白そうだから、やってみよう」
「失敗したけど、こっちの方が面白いかも!」
そんな気持ちが、創造する力の種になります。
アートには100点も0点もありません。
100人いれば100の言葉がある。
大切なのは、自分で感じ、自分で考え、自分の手を動かしてみること。
そして何より、楽しむこと。
子どもの成長には、数字で見えるものもあれば、数字では見えないものもあります。
好奇心。想像力。発想力。自分で決める力。そして、人生を面白がる力。
アートを通して育てたいのは、作品を上手に作る技術だけではありません。
子どもの中にある、
「なんか面白そう。やってみよう!」
という心です。
その小さな遊び心が、いつかその子にしか思いつかないものを生み出す。
そして、自分の人生を自分らしくつくっていく力にもなっていくのだと思います。
最後に、晩年のピカソの有名なセリフを書いておきます。
「やっと子どもように描けるようになった」
遊びの延長から、創造性が発揮されます。
これからは、そうやって育つ子たちが活躍する時代です。



