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BLOGまた岡本太郎記念館に行って来ました。もう20回近く来ていると思います。
自分の心が疲れてるなーと感じる時や、芸術家として大切なことを忘れないように定期的に行っています。魂にエネルギーを注入して貰いに行くんです。
「みんなどうしても、安全な道の方を採りたがるものだけど、
それがだめなんだ。
人間、自分を大切にして、安全を望むんだったら、何もできなくなってしまう。
計算尽くでない人生を体験することだ」
by 岡本太郎
なぜここでエネルギーが貰えるかというと、
岡本太郎さんが生前、実際にアトリエにしていた場所なので、
まだここに太郎さんが生きているような生々しい息吹が感じられ、パワーをもらえるからなんです。

もう何度も行っている場所ですが、行くたびに発見がある素敵な場所ですよ。だいたい僕は年に4、5回くらい行く場所です。
まさに表参道のパワースポットと感じている場所なんです。
太郎さんの作品は、原色に溢れ、ここの庭で鐘を叩いたり、太郎さんの「座ることを拒否する椅子」に座ってみたり、親子で行ってもとても楽しめる場所なのです。
お子さんの初めての美術館体験にもおすすめの場所です。太郎さんのエネルギーが今も満ち満ちている場所なんですよ!
そして写真撮影もオッケーです!
なんと言っても当時のアトリエとリビングがそのまま残っていて、太郎さんが暮らした当時のままの姿を見学できるのが最大の魅力です。

岡本太郎がアトリエと住まいにしていた家
岡本太郎が生活していたリビング

ドアを開けて1階入り口でチケットを買ったら、スリッパに履き替えて、まずは右手に進みましょう!
途中、天井が低いので頭をぶつけないようにね。
太郎さんの身長に合わせたのかなぁ?
(太郎さんの身長は157cm、小柄でも圧倒的な存在感)

太郎さんが実際に暮らしていたリビングがそのまま保存されています。
ぶっ飛んだソファーやインテリアが並んでいて、
その中に等身大の岡本太郎が自信満々にこちらを見ています。
ご本人を型取りして作られた岡本太郎像なんです。
太郎デザインの椅子、時計、カップ、岡本太郎デザインの飛行船の模型、などなど欲しくなってしまうアイテムばかりが並んでいます。
東京、表参道のどまん中でなんて優雅で素敵な環境なのでしょうか。東京の暮らす芸術家としてとてもうらやましい、自分もがんばるぞい!(笑)
岡本太郎のアトリエがそのままに!

特にアトリエは、まだ絵の具のついたままの机や、その上に乗った沢山の大きなハケ、大きなキャンバス、FRP(樹脂)で作られた灯りのオブジェが天井から吊るされています。
まるでここにまだ太郎さんがいるのではないかと思ってしまう、思わず立ちすくんでアトリエ空間に見入ってしまう。貴重な場所です。

ここであの太陽の塔の構想も生まれたのかと思うと感慨もひとしおですよね。
吹き抜けになっている2階には、太郎さんが読んだ本が沢山並んでいてとても興味深いのですが、そこまでは入ることはできません。

迫り来る原色の椅子!
そしてこんな大きいハケがあるなんて。初めてみました。
さすが30メートル級の作品を描いていただけありますね。
岡本太郎記念館〜庭を探検すべし!


見所のもう一つ。
ここにきたら絶対庭の散策をしましょう!
そこは都会のど真ん中のオアシス
バナナの木に紛れながら、太郎さんの作品がひしめいています。
まるでスターウオーズか何かのバナナ星に紛れ込んだ様な世界、決して広くはない庭ですが、探検気分になります。

鐘があるのでぜひ叩いてください。叩かれてたまるかと言っているかの様にトゲトゲだらけの鐘、いかにも太郎さんらしいです。
魂に響く素晴らしい音が響き渡ります。
「座ることを拒否する椅子」に座るべし!

庭にも館内にもいたるところにある「座ることを拒否する椅子」
すごいタイトルの椅子、実際に座ってみるとお尻がゴツゴツします(笑)
でもこの椅子って、自然の中、例えば河原だったり、座った時にお尻がゴツゴツするけど、
でも心地いい感じ、それを表現しているんです。
だから単に拒否しているわけではなくて、自然のたくましさみたいなものを表現したそうなんです。
さすがこれも太郎さんらしい発想ですねー。
何だこれは!

いろんなところに可愛い発見が。
これは太郎さんの作品「動物」の鉢植え。これも欲しくなってしまう。
「何だこれは!」も太郎さんの有名なセリフの一つです。
岡本太郎記念館の建物〜コルビジェの弟子坂倉準三氏による設計

ここ表参道にある岡本太郎記念館は、1954年から1996年に84歳で亡くなるまで、42年間、岡本太郎さんが住んでいてアトリエにしていた場所でした。芸術家のお家だけあって、たくさんの工夫があります。
コンクリートブロックを積んだ壁と鉄筋コンクリートの柱で空間が支えられています。
屋根は凸レンズの形「スキンストレス(応力外皮構造)」となっていて、上下面の反発力を利用して、柱同士の間隔を大きくとってアトリエ空間を吹き抜けにすることを実現しました。
設計したのは岡本がパリに留学したときの友人坂倉準三(1901-1969)氏によるもので
ル・コルビュジェの弟子で、モダニズム建築を実践した建築家です。
太郎さんの要求に応じて、ブロックを積んだ壁の上に凸レンズ形の屋根をのせたとてもユニークな構造の建物となっていて、名建築として当時話題を呼びました。
この建築を担当したのは1941年に坂倉氏の事務所に入所した4人目のスタッフ・村田豊氏でした。

98年に記念館として開館してからは、住居の左側に増築がされています。
岡本太郎記念館(旧岡本太郎邸)
1954(昭和29)年
設計 : 坂倉準三、村田豊
施工 : 不明
岡本太郎記念館〜細かいこだわり。ドアノブまで太郎作品!

岡本太郎記念館 細かいこだわりポイント
もう何度と行っているのに、行くたびに新しい発見がある岡本太郎記念館。
先日は京都から遊びに来た友人夫妻を案内したら、自分では気付かなかった新しい発見が沢山ありました。
入り口のドアノブまで太郎さんの作品になっていたなんて、初めて気づきました。
友人を連れて行くと新しい発見もあっていいですよ。
庭にもこんなものがあったんだ!と毎回発見があるんです。

岡本太郎記念館〜定期的に開催される圧倒的な企画展

2階では、2〜3ヶ月ごとに企画展が開催されています。
この記念館で定期的に入れ替わる企画展で、太郎さんが制作中のビデオを見た時は衝撃でした。
なんで早送りの映像流しているんだろうと思ったら、標準再生の映像でした。それほど制作エネルギーが爆発している人でした。
定期的に所蔵してある作品が入れ替わり、テーマに応じた作品が展示されるので、いつ行っても新鮮です。

毎回展示のレイアウトやディスプレイがハイセンスなので、より一層観る人を惹きつけます。
以下、最近見た企画展をピックアップします。
『瞬間瞬間に生きる ー岡本太郎とジャズー』2018年10月17日(水)〜2019年2月24日(日)

先日見た企画展は
【岡本太郎とJAZZ】でした。
ジャズも岡本太郎も大好きな自分にとって、この企画展は見逃せませんでした。
しかしどんな共通点があるのか?!
「俺には過去も未来もない、今この瞬間瞬間に爆発するだけ!」
それが太郎とJAZZの共通点だ。
ってカッコイイ。カッコよすぎて置いてけぼりくらいそう。
太郎さんの圧倒的なエネルギーはすごい。
製作中の映像が見れるんだけど、あまりの勢いに、早回しして再生してるのかと思ったくらい。
内側から溢れる衝動が爆発してる。
そして太郎さん、ピアノも弾けるんだね、しかもなんてダイナミック!
これ見てたらなんだか日常の小さなことでクヨクヨ悩んだりするのが本当にバカらしくなってきました。
悩んでないで行動しろ!っ思わされる。
そして太郎さんのスピーカー欲しい🔊
「日本の原影」展:2019年10月30日(水)〜2020年2月24日

写真家としても沢山の作品を残している岡本太郎さん。
常に、「日本とは、日本人とはなにか」を問いつづけていました。
上野の東京国立博物館で縄文土器が日本人のルーツとも言える芸術である!と発見したのは有名な話です。
動物を追い、闘争する狩猟するたくましさと豊かさ、溢れる生命力、見えない力と対話する呪術の精神など、「これこそが本当の日本だ!」と、わびさびの日本の伝統とは真逆の美意識を発見した太郎さん。

その後、沖縄、東北など、「原始日本」を探して写真を撮り続け、日本人とは何かを追求し、現代人が忘れてしまった大切な本能を追求した人でした。
須川崇志さんによるオリジナルジャズのベース音が流れる印象的な展覧会でした。
『生きる尊厳ー岡本太郎の縄文』2016年3月2日〜7月3日

國學院大學博物館の協力を得て開催された展覧会。
縄文土器が並ぶなんともインパクトのある展覧会でした。
美術史の文脈で縄文土器を発見したのは岡本太郎なんです!
1951年11月、岡本太郎は上野の東京国立博物館で偶然縄文土器に遭遇したのです!
「驚いた。こんな日本があったのか。いやこれこそが日本なんだ。身体中の血が熱くわきたち、燃えあがる」

荒々しくも躍動感あふれ、予定調和ではないみなぎる生命感を持つ縄文土器には、
いやったらしいほどたくましい戦慄的な魅力があることに気づいたのです。

岡本太郎生誕100年第3弾企画展「ヤノベケンジ:太陽の子・太郎の子」

まさかこの庭に、ヤノベケンジさんの巨大作品が展示されていてびっくりしました。ヤノベケンジさんは大阪生まれで岡本太郎の太陽の塔を見て育った現代美術家で、ちょうどこの年は2011年、震災のあった年です。
この作品からは、防護服を脱ごうとしている子供の姿を想起させます。
手には太郎さんの太陽をもち、未来を見つめるような視線、
安全に暮らせることや、踏ん張って強く生きていける気持ちを考えさせられました。
岡本太郎記念館 ミュージアムショップでグッズやお土産を。

とりあえず、岡本太郎ガチャガチャはやって損無しです(笑)
沢山グッズや書籍があって欲しいものだらけですが、
ちょっとだけピックアップします。
書籍「自分の中に毒を持て」岡本太郎

多くの若者に、そしてもちろん僕の人生にも大きな影響を与えたバイブルと言っていい本。
悩んだら買っとけ!と言うほどのこの本。
文庫版なのでお手軽です。僕はもう何冊も買って人にプレゼントしてきました。
発売されたのはだいぶ前ですが、普遍的なことがズバズバ書いてあるので、現代に生きる人の心にも直球で刺さってくるんです!
太陽の塔ロボ 三段階変形!
太陽の塔グッズが沢山ありますが、ちょっと変わったものを紹介。これも欲しいものの一つ。

http://tamashii.jp/special/tots_robo/
岡本太郎記念館〜併設のカフェでゆっくりしよう。

岡本太郎記念館(南青山)併設のカフェへ…
岡本太郎記念館内にア・ピース・オブ・ケイク(a Piece of Cake)というカフェがあります。
料理研究家大川雅子さんのお菓子カフェです。
作品鑑賞したら太郎さんに想いを馳せながらお茶しちゃいましょう。
太郎のお庭を眺めながら飲むカフェオレ、もちろんビールも格別に美味しいです。
僕はここで庭をみながらポーッとするのが好きです。
岡本太郎記念館館長〜岡本敏子さん
以前はよく、岡本太郎の養女であった岡本敏子さんが受付に座っていたのですが、2005年に残念ながらお亡くなりになりました。
しかし敏子さんのお陰で、太郎さんの意志はずっと受け継がれています。
現在の館長は、平野暁臣さん。平野さんは岡本敏子さんの甥で、敏子さんとともに、「明日の神話 再生プロジェクト」の中心にいた方です。
岡本太郎記念館〜開館時間・料金

・開館時間 10:00~18:00(最終入館17:30)
・休館日 火曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12/28~1/4)及び保守点検日。2020年3月27日(金)より5月31日(日)まで臨時休館。
・入館料 一般 ¥650(¥550) 小学生 ¥300(¥200) ※( )内は15人以上の団体料金
「岡本太郎記念館公式サイト」
岡本太郎記念館アクセス〜デートにもどうぞ

僕はいつも表参道駅のB1出口またはB3出口から出て骨董通りを歩きます。
徒歩15分ほどです。
骨董通り沿いのおしゃれなお店を眺めながら歩くのが好きです。
青山スパイラルもそばなので表参道アート散歩にいいですね。
そばにはブルーノート東京もあります。デートコースですねっ!っと。
岡本太郎記念館 住所
〒107-0062 東京都港区南青山6-1-19
TEL:03-3406-0801
館には専用駐車場はありません。
交通案内
東京メトロ【銀座線】・【千代田線】・【半蔵門線】 『表参道』駅より徒歩8分
都営バス(渋88系統)【新橋駅前行】【渋谷駅前行】 『南青山六丁目』下車徒歩2分
最後に、岡本太郎の言葉「芸術は爆発だ!」

「みんなどうしても、安全な道の方を採りたがるものだけど、
それがだめなんだ。
人間、自分を大切にして、安全を望むんだったら、何もできなくなってしまう。
計算尽くでない人生を体験することだ」
「僕は諦めろなどとは口が裂けても言わない。
それどころか、若者は己の夢にすべてのエネルギーを賭けるべきなのだ。勇気を持って飛び込んだらいい!」
「信念のためには、
たとえ敗れるとわかっていても、おのれを貫く。
そういう精神の高貴さがなくて、何が人間ぞと僕は言いたいんだ」
by岡本太郎
岡本太郎記念館まとめ
・2〜3ヶ月ごとに変わる2階の企画展
・庭で作品に触れよう。探索しよう。