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BLOGこんにちは。HIDERUです。
またAI時代の話かーと思ったあなた、ちょっと待ってください。
2019年ビジネス書大賞になったこの本、読みましたか?
読んでなければ、一日もはやく読んだほうがよいです。
だってこれ、みなさんの子供たちが社会に出る頃、世の中は最悪のシナリオになっているという結論の恐ろしい本ですよ。
しかし皆様は育児やお仕事でお忙しい方かと思いますので、僕が超簡潔に要約します(笑)
1.AIが人間を超える日は来ない

この本の著者、新井紀子さんは、一橋大学の文系出身から数学者に転身した変わった経歴の持ち主で
、AIに東大をうけさせたりとロボットやAIに関して徹底的に研究した方です。
この本で流れは大きく3段階。
1.シンギュラリティ(AIが人間を超える日)は来ない。がしかし、
↓
2.子供たちの読解力の無さが深刻。
↓
3.企業は深刻な人手不足になるが、人材がいないためAI世界恐慌に。
もうこれだけ書けばいいオッケーな気もしますが(笑)、もうちょっと具体的に解説します。
●まず1のシンギュラリティ(AIが人間を超える日)は来ない、という話。
著者の新井さんは、みんなAIに幻想や夢抱きすぎ!と言っていいます。
感情を持ったターミネーターのようなロボができる日なんて絶対来ないと断言しています。
AIは人間の感情を判断することができない

なぜならAIというのは、結局のところ単なる計算機。
人間の感情や曖昧な予測から判断することができないからです。
正解がある仕事は得意ですが、心の動きを読み取ったり、言葉の行間を読み取ることができないからです。
あくまでも膨大な検索をして最適解を提出しているだけなのです。
ここでの例として
よく、小学校で授業中
「先生!トイレ!」
という子がいたとして、人間同士だったら、この簡単で当たり前の会話がAIには理解ができないのです。
ほかにも、Siriに向かって「美味しいイタリアンのお店を教えて!」と言った時と、
「まずいイタリアンのお店を教えて!」と言ったとき、
同じイタリアンのお店を提示してくるんです。
AIは多くの人が検索する店を上位表示するという判断をしてしまうので、
うまい店とまずい店で同じ結果を出してしまいます。
AIにはアートも理解できない

アートに関する話も出てきます。
AIがゴッホのような名画を描くとします。
しかし絵のテーマや込められた情念のようなものは観測も定量化もできないので、
「ゴッホ風の絵」というような生成する特徴の分布と、実際のゴッホの絵の分布の差が最小になることを目指します。
そこでできた絵は、細部はゴッホ風なのに、全体はめちゃくちゃな、何が言いたいのかわからない見ていてイライラするような絵です。
AIは東大にも受からない
要するに、AIは数学は得意でも、文脈から意図を読み取る必要がある国語と英語は大の苦手科目なので、東大にも受からないし、人間を超えることはないという話です。
もちろんアートも苦手で芸大にも受かりません(笑)
(注:過去のヒット作から最適解を割り出して作った作品は作れます)
AIが得意なのは、ルーティーン化できる仕事です。
今までの学校教育は、AIに取って変わられやすい人間を生み出す教育でした。
だから取って変わられない仕事をすれば大丈夫!
と聞くと、
どうでしょう?安心しましたか?
でも、この本の言いたいことは、もっと非常事態と言っていい現実です。
2、子供たちの読解力の無さが深刻っていう話

著者は現代の中高生の読解力の無さがかなりヤバいと言っています。
別に川端康成や芥川賞の文学作品の行間を読み取れといった難しい話ではありません。
本当に日本語が通じていないのではないかと思ってしまうレベルの話をあげています。
例えば、
基礎読解力の例題として
・次の文を読みなさい。
エベレストは世界で最も高い山である。
この文に書かれたことが正しいとき、以下の文に書かれたことはただしいか。
「正しい」「まちがっている」「判断できない」
のうちから答えなさい。
エルブス山はエベレストより低い。
①正しい
②まちがっている
③判断できない
(正解 ①正しい)
こういった、日本語がわかればまちがえないような問題の数々があげられているのですが、
正解率は
中学生 62%
高校生 72%
著者はこれを、3人に1人が間違う不正解率の高さは危機的な状況だと唱えます。
なぜって?
文章は読めても、その意図やテーマは理解できない、
これって、AIと同じなんじゃないでしょうか?
3、深刻な人手不足問題へ

10年後には今ある仕事のうち49%がAIに代替され無くなっていると言われていますから、今の子供たちが社会に出る2040年頃には一体どうなっているのか見当がつきませんが、AIに代替されない職業なら大丈夫。
って話なんですが、
上記の読解力が無い子たちが増えてきているこの状況では、非常にまずいと著者は言っています。
AIにできない仕事は新たに需要が増え、企業は常に人手を募集しているのに、
その仕事ができる人材が極端に足りない状況になり、
失業者が溢れるという恐ろしい未来を予想しています。
希望の光はある

これに関する決定的な打開案はあまり提示されずにこの本は終わるので、なんだか
モヤっとしますが、
著者はこれを個人レベルの問題ではなく、社会変革が必要とというメッセージにしているようです。
なので、僕から声をあげて言います。
クリエイティブやグローバルな才能を開花させていきましょう!
よかったらぜひ読んでみてくださいね!
「AI vs. 教科書の読めない子どもたち」